昨日は午後から大阪本町で長期優良住宅に関する講習会に出席しました。
建築士事務所が対象の講習ですが、会場は満杯でした。実は1週間ほど前に京都でも行われたのですが、申し込みした時すでに満席だったので、わざわざ大阪まで出向いたわけです。
内容は、制度の趣旨、法律の条文、手続きについてで、技術的な説明はありませんでした。事前に国土交通省のホームページで公開されているPDFデータで資料は読んでいたので、とくに真新しいところはなかったのですが、みなさんの感心な高さは感じ取れました。
来週にはCADのオペレーションの講習会に出ます。(長期優良住宅の申請に対応するため、CADをバージョンアップしましたので)CADを使いこなせば、技術できな基準についてもカバーできるということになりますので、ようやく完全に対応できることとなります。
特に、耐震性能について、性能表示でいいうところのレベル2をクリアすればよいのですが、これは建築基準法が求めている耐力壁の量に加えて、床剛性などが求められます。当社の場合、床に厚板のフローリングを直張りするので、従来は床面剛性は考慮していませんでした。床に構造用合板などを張れば、簡単に床剛性を高めることができるのですが、ムク材にこだわった家の場合そうはいきませんので、その辺をどうクリアするかが問題となります。
そもそも、長期優良ですから、長期にわたって性能を保持しなければなりません。長期ってどれくらいといいますと、福田総理は200年住宅と言っておられましたが、制度の説明の中では3世代100年程度みたいな感じで言っていました。100年というと、外壁や屋根などをはじめ、仕上げ部分に関しては、当然メンテナンス・更新が必要ですが、いわゆる主要な構造部については、簡単に取替できるものではありません。
以前から私は構造用合板というものに不審を抱いているのですが、合板がはたして何十年もその強度を維持できるのでしょうか????ハテナがいっぱい並んでしまいます。その怪しい構造用合板をもって床剛性や耐力壁の剛性を評価して、長期的な使用に耐えうるかを判断するのはどうかなと思います。
私たちはリフォームで様々なっ現場に行きます。たとえば築30年くらいの家では、床のフローリングがフワフワになっているところがほとんどです。屋根の修理をする場合も、屋根の合板は歩くことさえできないほどボロボロになっていることはしばしばです。
これらの合板は、30年ほど前、シックハウスの問題もなく接着力を高めるために化学薬品を入れ放題だった時代のものです。昨今化学物質の使用が制限されている中で、接着力がどれほど長持ちするのかはますますハテナなのです。
ここで注目すべきは、性能表示の他の項目が一番厳しい数字であるのに対して、耐震性がレベル3ではなく2である点です。
耐震等級3を出すためには、壁に構造用合板を使わない限りほぼ無理です。あるいは屋根を瓦より耐久性の低いカラーベストや鋼板にして軽量化することが必要になることも考えられます。こんなことをお国もわかって、あえてレベル2にしたものと推測できます。長期という視点で考えたとき、初期の耐震レベル3よりも長期のレベル2を選んだのかもしれません。