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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

平成の京町家

このところ京町屋ブームが加速しています。

古い京町屋を改装したレストランや雑貨屋さんなどの店舗が続々とオープンし、不思議な空間を楽しめるようになりました。

また、町家を改修して、旅館やホテルにしているところもあり、京町家を体感できるツアーなどもできるそうです。

京都市内にはまだまだ数千件の町家が残っていると言われ、その保存を望む声が高まっています。

しかし、現実的には、昔のままのつくりでは、冬の冷え込みは耐えられず、空き家が増えています。

以前私が、町家に暮らす方とお話しする機会があり、町家での暮らしぶりについて尋ねたところ、「辛抱します」と言われたのが印象に残っています。

昔の家では、火鉢にあたって寒さをしのいでいたのですが、今もその暮らしは変わらないのです。風通しが良い家は冬は家の中でも氷が張るほど冷え込みます。そんな家での冬の暮らしは”辛抱”あるのみだとか・・・

夏は打ち水をすれば、風が通って涼しいイメージがありますが、実際は防犯性などから窓を閉めないといけませんし、そもそも、今年のような暑さでは、エアコンなしでは過ごせません。そうすると、断熱性が極めて低い構造の京町家は、とってもすみにくい家ということになってしまいます。

まわりの環境が大きく変わり、ライフスタイルも変わった今、外観や内装のデザインは魅力的でも、性能には、ずいぶん手を加える必要があります。さらに、耐震性や防火性ということになると、どうしようもないというのが現実ではないでしょうか。

そう考えると、何も古い町家の改修にお金をかけなくても、新築すればいいんじゃないと私は思います。

今なら、昔ながらの木組みで家を建てることのできる大工さんもたくさん残っていますから、現在の耐震・断熱の技術とあわせれば、まさにハイブリッドなnew京町家ができると思います。

ということをいつも申し上げてきたのですが、ついにその時がきたのか!!

「平成の京町家」と銘打って、京都市が大きな舵を切りました。

いままで、改修ばかりに取り組んでいたのですが、前述のようなハイブリッド京町家を「平成の京町家」と呼び、認定をするそうです。

しかも、先着5件には200万円の助成金がもらえます。

さらに、長期優良住宅の認定も受けることになるのですが、木のいえ整備促進事業の助成金100万円もあわせてもらうことができ、税制優遇も受けられます。

これはメチャメチャ得ですよ!!

でも先着5件ということは多分いまからご相談いただいても間に合わないでしょうから、来年の枠に期待しましょう。

エコカー助成金

エコカー助成金が9月末で終わるとニュースで言っていました。

9月末にならなくても、予算を使い切った時点でなくなるのだとか。

一方家電エコポイントや住宅エコポイントも12月で終了する予定で、延長するだのどうだの情報が錯綜しています。

あまりニュースなどでは言われていませんが、長期優良住宅普及促進に関する助成金(100万円)については、10月中で受け付けが終了します。

この受け付けをするためには、事前に、①技術的審査を専門機関で受け、②都道府県等の認定を受け、③建築確認済証の交付を受けておかなければいけません。

①におよそ3週間、②に2週間、③に3週間(①②と並行してできます)ので、都合5週間(稼働日数で)はかかります。

当然ながら、技術的審査を受けるための書類作成に時間を要しますから、プラン決定後、1.5カ月かかってしまいます。

逆算すると、この助成金を使うためには、9月中旬にはプラン決定をしておかないと間に合わないということになります。

通常、設計を始めてからプラン決定まで短くても1カ月くらいかかりますから、実質的には今からスタートしても間に合わないということになります。

助成金をあてにしていた方は残念ながら、来年に期待しましょう。



室内物干し

換気扇の横の何やら不思議なものは・・・

見えるかな?ビローンと伸びて、物干し用のワイヤーが登場!

室内干しに大活躍間違いなし。

倉敷~徳島

お盆休みに倉敷まで行きました。

鷲羽山の展望台から瀬戸大橋を見降ろします。

美しい景色ですが、向う岸には坂出コンビナートが見えます。

戦後重工業による復興の原動力となった工業地帯です。

100年前の風景はどんなだっただろうか??

鷲羽山のふもとに、昔回船問屋というところがあって、北前船でにぎわった往時の様子が再現されていました。

その建物の中にあった、水屋です。今でいうシステムキッチンですね。

なかなかレトロでよいです。これ実際に使われています。

鷲羽山に一泊して、翌日は四国にわたりました。

阿波踊りが終わったばかりの徳島は、まさに祭りの後といった感じ。

阿波おどりで女性がかぶる編笠の形をしています。

なかなか美しい木組みでした。

完成写真-京都Y様邸

医学研究をしていおられるご主人と音楽が趣味の奥様、それに今年生まれた赤ちゃんを含めて4人のお子さんが暮らす家です。

広く開放的なリビングは、ファミリーコンサートやホームパーティーも開けます。

4人分の子供部屋はあえて設けず、姉弟仲良く過ごすためのファミリールームをつくりました。

子供さんの寝室は、成長に合わせて仕切りができるように配慮しています。

キッチン脇にある和室は、オープンにも独立した部屋にも使い分けられる工夫をしました。今は赤ちゃんのお昼寝スペースとして重宝しておられます。

ウッドできのブランコは、お子さんたちが奪い合うほど大好評でした。

さてどこの景色でしょう?

この写真、実は私が現場から事務所へ帰る途中のに取りました。

生駒市から京田辺市へ抜けるいわゆる京阪奈丘陵と呼ばれるところです。

ここからは、鉄塔や道路はおろか田んぼも見えず、自然の風景そのままです。

京田辺・生駒の中心市街地からそれぞれ15分くらいのところですが、なんとも癒される景色です。

ファインがトレーニングに

我が家の愛犬ファインがドッグスクールに入学しました。

今月は何かと家を空けることが多く、あちらこちらに預かってもらおうかと考えていたところ、1カ月間預かりレッスンというのがあると教えていただきました。

前々から一度きちんとレッスンを受けさせたいとは思っていたのですが、踏ん切りがつかず、2年以上経ってしまいました。

料金もペットホテルに数日預けるくらいでよいですし、これはよい機会だと思いきって参加しました。

長岡京ドッグスクールのブログhttp://ameblo.jp/nagaokakyo-dog/entry-10611022730.html#mainに、ファインの様子を紹介してくれました。

なんだかかわいそうですが、里心がつくので面会はできません。

立派になって帰っておいで!!

カレーうどんの日

どうでもいい話ですが、8月2日がカレーうどんの日になったそうです。

なんでも、今年がカレーうどんができて100周年なのだとか・・・

実は私はカレーうどん、いや、カレーが大好きなのですが、カレーうどんも年中食べます。

そんな私が、この夏初めて体験したのが冷たい”カレーそうめん”です。

そうめんも大好きなのですが、ふつうにつゆにつけて食べるだけでは飽きてしまいます。

そこで、わが妻が、冷やしカレーうどんのたれなるものを買ってきて、ぶっかけそうめんをつくってくれました。

これはウマい!!私のツボです。

ぜひお試しください。

力作のポストが完成

銅板でつくったポスト

ロートアイアンの門柱(というのかな?)に、インタホンとポストをつけました。

木の枝に、インタホンとポストがぶら下がっているようなイメージです。

このポストに構想2カ月制作1カ月かかりました。

まさに力作です。

エアコン室外機の風

このところ猛暑日が続いています。

なんだか35℃くらいは当たり前という状況になってきました。

この”気温”というのは、昔、百葉箱というのがあったのを覚えておられるでしょうが、百葉箱の中にある温度計の温度です。つまり、風通しの良い日陰の家の中の温度ということです。

風通しの良い家はエアコンが要らないなんて言いますが、風通しの良い家であれば、気温37℃の日は、室内が37℃ということになります。

そよかぜの家は、その名の通り、家の中の風通しにも配慮した設計を行いますが、機械換気を計画通りに動かすためには、窓を閉めて気密性を高めた状態が最適です。つまり、窓を閉めている方が換気は確実に行われているということです。

真夏の日中は、いくら風通しを良くしても、外が暑いんだから暑くなるばかりです。むしろ、断熱性の高い家は、窓をピッチリと閉めている方が涼しいのです。

尖山ショールーム(自宅)では、24時間1~2台のエアコンが運転していますが、1か月の電気代は真夏のピーク時で2万円あまりです。断熱性・気密性が高いので、家中の温度が27~8℃に保たれます。

しかし、このところの猛暑のなかでは、寝室や子供部屋のエアコンも運転しないと足りません。

この暑さがいつまで続くのかと思っていたら、明日あたり恵みの雨が来そうです。

少し雨が降ると、まわりの土地全体を冷やしてくれるような気がします。自然の力は偉大です。

ところで、エアコンの室外機の風が、お隣の窓に向いているので気になるということがよくあります。

そんなときの秘密兵器があります。

写真のカバーのようなものが、上吹き出しガイドと呼ばれるものです。

これをつければ排気が上向きになるので、お隣にご迷惑はかかりません。

住宅照明の調光が進化した

近頃LEDの照明器具がずいぶんと充実してきました。

それとあわせて、演出照明が住宅にも積極的に取り入れられるようになってきました。

そもそも、LEDは省エネで長持ちだけれども、演色性がよくないとか、調光できないとか、とてつもなく高いとか、いろいろと欠点がありましたが、それらの欠点を克服し、新しい時代をつくろうとしているようです。

そのひとつが、住宅用の調光システム。

今まで調光できなかった、蛍光灯やLEDもあわせて調光することができるのですが、今までのライトコントロールスイッチとは次元の違う代物です。

ひとつひとつの器具を調光するのではなく、複数の照明を組み合わせて演出するさまざまなシーンを記憶し、ボタンひとつで切り替えをしてくれます。さらにタイマーを使ってコントロールすることも可能です。

値段は少々高くつきますが、スゴイと思います。

とはいうものの、住まいの照明にそこまでやる必要があるのかは少々疑問です。

そよかぜの家には、どちらかというとテーブルにローソクを置いてみたり、アンティークのスタンドを置いたりというような、ちょっとローテクでアナログな感じが合うのかもしれません・・・


オリーブその後

出入りの花屋さんに診てもらったところ、どうやらウッドデッキの切り欠きが小さくて、幹が傷んでしまったことが原因だとのこと。

ウッドデッキに抑えつけられて傷ついたところから樹液が出ていて、それを嗅ぎつけてゾウムシがやってきたに違いないと言います。

さっそく、ウッドデッキを大胆にカットしました。

すでに、ゾウムシが明けた穴は、花屋さんが治療してくれています。

枝も大胆に落して、復活を待ちます。

ガンバレ!オリーブ!!

シマトネリコの花

梅雨空の中、シマトネリコの花が満開になっていました。

ゲリラ豪雨でたたき落とされましたが、わずかの晴れ間を縫って、ミツバチが集まってきます。

ちっちゃな花ですが、あま~い香りが辺りいっぱいに漂います。

今日はそろそろ梅雨明けでしょうか?

暑くなりそうです・・・

薪小屋

薪小屋という程のものではありませんが、廃材利用で薪置き台をつくりました。

さっそく、廃材を40cmにカットしておいてあります。

工事が終わるころにはいっぱいになりそうです。

大雨・・・

今日は猛烈な雨でした。

このところ、1時間当たり100mmを超えるような猛烈な雨が各地で記録されています。

そんな雨は、私はまだ目の当たりにしたことはありませんが、今日断続的に降っていた強い雨が、1時間降り続いたなら、多分100mmくらいになるのかなと、想像するのがやっとです。

ニュースなどでも耳にされたこともあるかもしれませんが、日本の防災対策のなかで、集中豪雨に対する対策は、最高で1時間当たり50mmの雨を想定しています。

これは、当時の統計データのなかで、一番強い雨が50mmくらいだったので、100年に一度の大雨に備えるには、50mmの雨に耐えなければならないということだったのです。

ところが、ここ数年、50mmどころか100mmというような雨が記録されるようになって、防災対策が根幹から崩れているのが現状です。

私の地元のように、田んぼがたくさんあると、一時的に遊水池として機能してくれますが、都会の真ん中では、すべての雨水が一気に水路に流れ込み、大きな被害をもたらすことになります。

既存の水路の幅では到底処理できない量の水が流れ込んでくるような事態が、日常的に起こるかもしれません。

さて、1軒の家に目を向けても、雨対策を考え直さなければならないかもしれません。

たとえば、樋の大きさはどうでしょうか?今日のような猛烈な雨が降っているとき、まわりの家の樋を見てみましょう。縦樋に飲み込みきれない雨水が、軒からあふれていることがあります。

縦樋が飲み込めない理由は、単に縦樋が細いということではなく、その先にある地中の雨排水が細いということも考えられます。住宅の排水設計も、お国にならって雨量の想定をしていますから、足りないのも当然です。

まあ、敷地内の排水管だけを太くしても、注ぎ込むはずの側溝があふれていたら、どっちみち流れませんから、我が家だけ助かろうという考えは成り立ちません。

つまり、残念ながら「仕方ない」というのが実情なのです。

庭のオリーブが大変なことに・・・

我が家の庭にはオリーブの木が一本植えてあります。

オリーブは水やりもそれほど必要ありませんし、育てやすい木です。

植えてから5年程になりますが、それほど大きくもならず、植えて良かったと思っていました。

ところが、きのう妻が、「なんかオリーブ枯れてるみたい・・・」というではありませんか。

そう言われれば、葉っぱが枯れて落ちている枝があります。よくよく見てみると、エライことになってました。

木の根元の辺が、穴だらけです!!

正体はこいつ

ゾウムシというコガネムシの仲間です。

たくさんあいていた穴は、こいつの幼虫の仕業です。

それにしてもかなりやられています。復活できるのか???


長期優良住宅の基礎配筋

長期優良住宅といっても、そよかぜの家で通常建てているしようとさほど変わるものではありませんが、構造面で少し違いが出る場合があります。

以前に水平構面のお話をしましたが、今回は基礎の話です。

木造で住宅を新築する場合、今やほとんどがベタ基礎です。

そよかぜの家では、ある程度仕様を統一して、配筋・スラブ厚などを決定していました。

今回、長期優良住宅の設計にあたり、「木造住宅のための構造の安定に関する基準に基づく横架材及び基礎のスパン表」というガイドラインに沿って、配筋の見直しを行いました。

この○○○スパン表なるものは、1件ごとに構造計算するのは大変なので、やや過剰にはなっても不足はしないよというような仕様になっています。

配筋についていえば、建物の隅角部に耐力壁が来る場合の補強などが、加わります。

ご覧の写真は、昨日配筋検査を終えた現場です。

この現場は、1階の部屋がかなり広く、間仕切りも少ないので、基礎スラブのスパンが大きく、間仕切りの開口部のスパンも大きくなります。

スパン表が安全側に見ているのに加え、現場での施工性を考慮し配筋を単純化する際にまたまた安全側に設計しますから、ご覧の通り、鉄筋だらけです。

鉄筋の値段が安いとはいえ、重量にすると通常の2~3割増しくらいにはなっています。

床下のグラスウール

30年くらい前の建物の改造をすると、床下にグラスウールが入っていることがよくあります。

私が結露のお話をするときには、必ず夏場の床下の結露についてもご説明するのですが、現場を見れば一目瞭然です。

事前の調査では、キッチンの床下点検口から床下を覗いたのですが、カビ臭いにおいもなく、カラッとしていたので(グラスウールも)、おそらく大丈夫だろうという推測のもと、既存の床をできるだけ利用するような内容で設計しました。

ところが、いざ床をめくってみると、シロアリの被害がありました。玄関土間の近くだったので、土から上がったものかとも思われましたが、念のため、床をめくらない予定の部分も点検しました。

通気口が小さかったので、通れるようにはつって中に入ると、なんと、めっちゃカビ臭いじゃないですか!

さらに見ると、床下のグラスウールは、水が滴るほどびちょびちょですし、断熱受・大引・根太が白アリに食われてなくなっていました!!

床板は後から張り増して3重張りになっていたので、上を歩いても全く傷んだ感じがしませんでした。

さっそく、3重にも張られた床をすべてはがし、シロアリに食われた材を取り除きました。

さいわい、シロアリの被害は、通気が悪かった一部分だけで納まっていて、土台は全く被害を受けていませんでしたので、十分修復可能でした。

通気が悪かったため、グラスウールが湿気のたまり場になっていたのでしょうね。こわいこわい・・・


最近の建物は、ベタ基礎がほとんどですから、これほどまでに湿気る事はないでしょうが、やはり、繊維系の断熱材は結露対策という意味では、難点があると私は思います。特に床下への使用はすべきではないでしょう。


認証木材

長期優良住宅の助成制度について、昨日も書きましたが、「木のいえ整備促進事業」の助成金は、通常100万円の上限が、特定の場合120万円まで増額されます。

それに認証木材が関係します。

もともと、京都府の場合は、府内産木材を使用した場合に20万円を上限に助成する制度があります。

これは、地元地域の木材を使うことで、輸送にかかるCO2の排出を削減すると同時に、地域の林業の活性化を狙ったもので、京都府は他に先駆けて取り組んできました。

今回の木のいえ整備事業での上積20万円は、産地証明が取れれば、九州だって北海道だってOKです。それどころか、北米であってもアジアであっても、計画的に植林するなどして、環境保護を図っていると認証されたものは、助成の対象になるのです。

実は、府内産木材を使用すると言っても、柱や土台などを除き、構造材に用いるためには十分な量が確保できないことや値段的な負担がネックとなって、実質的には無理があります。

おそらくそのような実態を踏まえて、対象をひろげたものと私は推測しています。

ところが、この認証木材という制度、材木やさんも建材やさんも知りません。つまり、私が認証木材を使いたいと言っても、それを手に入れられないのです。

まあ、柱・土台や造作材に使う、杉・桧などは、京都府内産だけでなく、奈良・和歌山・岡山・広島など、周辺の山地のものも助成の対象となるので、ずいぶんと使いやすくはなりますが、量的に多くを占める構造材は、米松であり、それに対しては、認証木材なるものは、あまり流通していないようです。

事業仕分で特殊法人といわれるものにメスが入れられる中、新しい制度ができるたびに、これらの認証にかかわる団体が設立されています。100万円の助成金を出すために、国が使うお金はウン百万にもなっているかもしれません。

一生懸命情報を集めて手続きをして、翌年はまた違う手続きをしないといけないというのは、結構きついですね。

木のいえ整備促進助成金

長期優良住宅の認定を受け、住宅履歴情報を整備し、建築中の現場を公開するという条件で、最高100万円の助成金が受けられる制度が、「木のいえ整備促進事業」です。

当社が設計・監理する物件で、助成決定をいただきました。

設計者の仕事というのは、いわゆる設計業務のほかにも、確認申請等の手続きをしたり、開発協議をしたりといろいろな事務手続きが含まれます。むしろ、そういった事務仕事にとられる時間の方が多いかもしれません。

今回の案件は、開発協議からスタートしたので、プランが決まった後、建物の着工まで丸3か月を要しましたが、その間、町との開発協議、確認申請の事前協議、民間の確認検査機構での確認申請、それと並行して、長期優良住宅の技術的審査、その後府の長期優良住宅認定申請、そして最後に、助成金の申請を行いました。

いろいろな制度ができるのはよいのですが、いわゆるワンストップサービスだとどれほど楽でしょうか。

梅雨の合間ではありますが・・・

梅雨まっただ中にもかかわらず、屋根の葺き替えを敢行しています。

今年は3月も4月も5月もとても雨が多かったので、屋根屋さんは梅雨だからといって休んでなんかいられません。

幸いなことに、いわゆる”親方日和”といって、雨は夜だけで昼間は持ちこたえてくれているので、意外にも毎日休まず作業ができています。

ご覧の写真はルーフィングを貼ったところ。

普段見慣れているルーフィングは、ゴム系・アスファルト系などですが、これは高分子系と呼ばれるものです。

高分子樹脂が、タッカーや釘の穴をしっかりとふさいでくれます。

オレフィン樹脂をクラフト紙ではさんであり、軽量で取り扱いも楽です。それに表面にゴムのぶつぶつがスパイクのようについていて、全然滑りません。このツブツブは、横桟を打ったときに水の抜け道をつくる効果もあります。

黒いルーフィングに比べて熱の吸収もずいぶんましです。



BIMとは?

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)。コンピューターの中にバーチャルな建物を構築し、その情報を設計、施工、管理などの全プロセスで活用する考え方のこと。

要するに、通常は2次元の図面であらわされるさまざまな情報を、バーチャルな立体の中でつくってしまうというものです。

大きなビルなどでは、何千枚もの図面が作成され、それらの図面を細かくチェックするのがものすごく大変なのですが、コンピュータ内のバーチャルな”現場”を目で見て確認することができるという素晴らしいシステムなのです。

設備配管の位置などが一目瞭然でわかるので、維持管理にも力を発揮します。

住宅にはそこまでのシステムはありませんが、リフォームのときに「配線がどうなっているか、天井をめくってみないとわかりませんわ」なんてことを言わなくても良い時代が来るかもしれません。

もっとも、データ通りに現場が施工されているかどうかという問題もありますが。


よみがえった梁

60年前に建てられた土蔵の梁が、ご覧のように生まれ変わりました。

圧倒的な存在感です。

真新しいしっくいの天井・壁との相性もばっちり。

素晴らしい癒しの空間が出来上がりました。

こちらはホビールームの梁。

天井に杉板・壁はしっくいで仕上げました。

ちょっと小粋なお店のような雰囲気です。

ちなみに、太陽光発電設備もついています。

ご覧のモニターでわかる通り、現在売電中です。

古いものも大切にしながら、新しいものにもチャレンジする、そよかぜの家のコンセプトを実現させた、象徴的な建物となりました。

新作

南からの外観

道路側からの外観

二階の屋根をはずしてみたところ

二階をはずしたところ


今回は太陽光発電システムを載せるので、南向きに片流れ屋根にしました。

屋根勾配に合わせて2階のパブリックスペース上にロフトをとり、広めのホールとあわせてユーティリティースペースをつくりました。ここはる気抜けを通して1階リビングともつながっており、つながりながら隠せる空間です。

将来子供たちの遊び場所になるでしょう。


そよかぜの家の特徴は、ご覧の通りのワンルームのような間取りです。

間仕切りを減らし、廊下スペースを居住スペースに取り込むことで、小さな床面積でも大きく使うことができます。

断熱・気密性能が良いからこそできることです。