「本物」の健康住宅ってどれ?
自然素材を使ったいわゆる「健康住宅」を建てたとしても、
家に持ち込まれる家具や家電製品などによって化学物質が排出されることは避けられません。
そうなると、もはや「健康住宅」ではなくなってしまします。
それでは、本当の意味で体に優しい、健康住宅を建てるには、どうすれば良いでしょうか。
それには、大事なことが二つあります。
ひとつは、確実な計画換気で化学物質を室内から排出することです。
いまでは24時間計画換気が法律で義務付けられていますから、どこでもやっていると思われがちですが、それは大きな間違いです。
換気システムは非常に重要であるにもかかわらず、意外にもないがしろにされていることが多いのです。
そしてもう一つ重要なことは、湿度のコントロールです。
冬の窓ガラスは結露でびっしょりではないですか?
そんな家は、窓ガラスだけでなく、目に見えない壁の中や床下も同じような状態になっています。
窓の結露は拭きとれますが、壁の中はそうはいきません。
じめじめした環境を好むカビが発生し、カビを餌にダニが繁殖します。
その結果、カビの胞子やダニ・ダニの死骸などが埃となって室内に蔓延し、アレルギーを引き起こしてしまうのです。
逆に考えると、結露の発生さえ抑えれば、ハウスダストを大きく減らすことができるので、シックハウスの原因も激減するということです。
また、夏は亜熱帯なみの高温多湿・冬は大陸なみの寒さと乾燥に耐えなければならない過酷な気象条件は、先進諸国の中では日本をおいてほかにはありません。
そんな環境の中で、健康・快適に暮らすためには、冷暖房だけでなく湿度のコントロールが不可欠なのです。
健康住宅を名乗るハウスメーカー・ビルダーはたくさんありますが、
本当に重要なことは、「確実な計画換気」と「湿度のコントロール」にじゅうぶん配慮しているかどうかということなのです。