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健康・自然・家づくり「そよかぜの家ダイアリー」

京都市景観シンポジウム

京都市景観シンポジウムが昨日行われました。

京都市に景観条例が導入されることと合わせて、京都市景観デザイン協議会というのがたちあげられ景観規制内容についての検証などの活動しておられるのですが、その中間報告のような位置づけでシンポジウムが行われたようです。

わたしは、ちょうど京都市内の物件の設計していて、規制内容や手続きについて勉強しなければという思いもあり、参加してきました。

内容は細かな規制についての説明というものではなく、景観条例が施行されてからの動向についての報告のような感じでした。ただ、実際の施工事例の紹介で規制の中で個性的な建築をされているものは大変参考になりました。

景観条例の導入には、ヨーロッパの古い都市のような美しい景観を、京都にも取り戻したいという思いがあったものと聞いています。私もその考えには大賛成ですが、すでにここまで無計画な開発が進み、そこでの生活・事業が定着していますから、いまさら”古都京都”らしい景観を取り戻すことは相当に困難です。

条例の導入はそれに向けての第一歩ということでしょうが、やはり道のりは険しいようです。

一時的には個人の不動産価値を下げるような規制になってしまいますから、反発が起こるのも当然ですし、いきなり強制執行するような社会でもありません。長い時間をかけて住民みんなの理解のもと進めなければならないことだと思います。

シンポジウムに参加していろいろ感じるところはありましたが、どうしても気になる点があります。それは、規制内容をクリアすること=京都らしい建築とはなっていないことです。建売住宅の紹介もありましたが、確かに瓦を葺いて庇も付いていますが、京都らしい風情はかけらも感じません。限られた予算の中でつくるのですから仕方ないとは思いますが、いかにも”なんちゃって和風”みたいな感じです。

一方、”文脈を読む”と表現されましたが、その地域の歴史伝統を読み込んだデザインであれば、特例を認めておられます。

”文脈”といわれるとなんともあいまいです。先程も書いたように、すでに無計画に開発されているところの文脈はどのように読み解けばよいのかわかりませんし、では100年後200年後のビジョンをというと、それが正しいのかどうかをだれが判断できるのかという問題があります。

う~ん、難しい。要するに、建築デザインをするものがレベルアップしないとダメということですね。

いずれにしても、私たちは、少なくとも京都というまちが持つ歴史・文化・風俗・習慣などをよく勉強し、それをデザインに生かしていくことが必要なのだと、あらためて感じました。