アトリエ系建築家
先週末、地元の建設会社DACさんが主宰する、京都鴨川建築塾に参加してきました。
この塾では、著名な建築家の方から直接指導を受けることができる上、懇親会でお酒を酌み交わすこともできるという、普通ありえないようなことができてしまうと聞いていました。いわゆるアトリエ系と呼ばれる建築家の方たちは、住宅を含め建築は細部まで考えつくされた作品であるという考え方で、ある意味お客様の満足は二の次と考えておられます。その点では、私の考えと違うわけですが、彼らがどういう思考をしてものづくりをしているのかは、やはりとても勉強になることで、以前から建築家の書いた本や作品集をみつけては読んでいました。
今回の講師は泉幸甫氏です。泉先生は、センスはトレーニングで身につくものすなわちスキルであるという考えをお持ちで、私も共感するところです。この塾での講義をとおして、それを身に付けるようにしてやるという心強いお言葉をいただきましたので、せいぜい熱心に参加しなければと思っています。
第1回の課題として行ったのは、屋根です。美しい屋根を考えるためのステップとして、発想する力を身に付けるためのトレーニングを行いました。
私はいちおうプロですから、発想力も他の参加者に負けないぞというような自負もあったのですが、なかなかどうして、皆さん豊かな発想をお持ちです。さらに、オーソドックスな形とその変化形を先生が紹介されたあと、その屋根をもうひとひねりして考えようという課題があり、これにはペンが止まってしまいました。私にとってはオーソドックスな形+αこそが洗練されたデザインであり、それをどうしろというのかという感じでしたが、受講者の中にはいろんな発想をしている方がいました。それが美しいかどうかは個人の感性ですが、既成概念を打ち破るというプロセスはここにあるのかとショックを受けました。
参加者は、建築家を目指す若手の方もいれば、私のように工務店を経営する方、大工さんなど様々で、年齢も20代~50代まで幅広く、なかなかおもしろくなりそうです。一年間の講義ですが、私自身一皮むけるように頑張ろうと思っています。